クルマの値段
「最近の若い男の子は草食系で、
我々のように、クルマに興味をもったり
無理して買うことなく、
我々のように、クルマに興味をもったり
無理して買うことなく、
彼女とのデートもレンタカーで済ませるらしい」
ある本のデータを見るまでは、
僕もそう思っていた。
ところが、これは間違いで、
興味がないのではなく、高すぎて買えないのだ
(もちろんクルマ以外の興味が
多様化しているのだろうが)。
しかも、若者だけの話では
どうやらなさそうだ。
この25年のトヨタ社製自動車の
平均新車価格は、凡そ220万円から
530万円へと倍増したが、
この間の日本人の平均所得は、
大体450万円前後で、変わらない。
以前も、今も車は、年収以上に高いのだが、
高度成長期は、無理なローンを組んでも、
買ったものだ。
いずれ給与は上がるし何とかなるだろう、
という感じだ。
(現金で買う人の話を聞いたことがなかった)
今は、給与が上がらないので、
こんな無理はしない。
今日本で一番売れているのは、
軽自動車だという。
僕のイメージでは、軽自動車というのは、
零細企業が運搬手段として
国が特別に認めて作ったもので、
乗り心地はおろか、
事故したら、間違いなく死ぬか、
下半身不随だと言われてきた。
ところが、最近の軽自動車を見ると、
200万円もするものもある。
装備は高級車に負けないくらいついているし、
安全面もそれなりだ。
200万円も、それなりの消費だけど、
実際に必要な人が買うのは、
もはや25年前と同じこの価格帯で、
昔は、カローラ、今は、軽自動車
というわけだ。
日本人が、世界的に見て貧しくなりつつある、という事実は、
このような高額消費を通じても、分かる気がする。