現金出納帳の話
経営者が鍛えられる仕事はいくつかあるけど、逃げられないのは、オカネの出入りと残高管理。
今風に言うと、キャッシュ・フローと言うのだろう。
創業から3年くらいは、半年先の資金はいつもマイナスだった。
酷い時は、3ヶ月先がもうアウト!だった。
スタッフの給与や社会保険だけは、と思って、オフィスの急な移転を決めたこともあるし、ストレスで、地下鉄や満員電車に乗れなくなった事もあった。
こういう毎日を過ごしていくには、多分人並み以上の肝っ玉が必要だ。
更に、事業を伸ばそうとすると人件費や営業コストが嵩み、売上の入金までの資金繰りが一層苦しくなる。
数千万円の費用を要するオフィス移転などこの点狂気の沙汰であろう。
こういうオカネのマネジメントを何年もやっていると心に襞ができて、破れて出血した十二指腸が強くなっていくのを感じるようだ。
それは、普通のビジネスマンから脱皮して、他の生き物に変化するような妙な気持ちでもある。