自己否定から逃げない

 この間の日曜日に「自分の未来を考える」勉強会に
集まった当社の若手に話したのは、会社を経営して
学んだとっておきの秘法である。

今の経営マネジメントは、変化との戦いである。
弊社の例で言えば、「人事業務のこういう部分が
完全にIT化された商品が発売になるらしい」などと
いう報告を聞くと、心中穏やかになれない。

理屈では、日本の高賃金での仕事が、IT化または低賃金
労働者に仕事が奪われることはわかっているが、
現実のビジネスの前線でそういうことが起こりだすと
それはもう恐怖である。

さて、この時代に生きる20歳代の若手はどうだろう。
僕は、良い時代にキャリアの出発点にたつ
彼らは、とてもラッキーだと思う。
なぜならば、
人は、変化を強要されてそれに仕方なく合わせよう
ともがく事から成長するからである。だからこの時代
を生きる彼らは、他の世代より伸びる可能性が高い。
若い彼らは、リスクも少ないし、世の中こんなものだ、
と思っているはずだ。

それに比べて、僕の世代は、時代に恵まれすぎていた
ので、ダメダメな奴が多い。立派な大学を卒業し、一流
企業に就職したところから「企業に染まり、伸びていない」
のが多いのだ。それでこの歳まで生きてこれたのだから仕方ない。
彼らの動機付けは未だに会社と出身大学のブランドだ。

僕がラッキーだったのは、hpという会社が成長する中で
商品や販売の強化だけでなく、人事戦略を世の中に
先駆けて作っていく会社だったことだ。だから、20歳代
には今で言う成果主義、職務給与などのプロジェクトに
関われたし、ダイバーシティ、ビジネスHRという今の
時代を生きる基本を体感できた。

当時は、次から次へと戦略を考え出し、施策が良く変わる
会社だなあ、なんでいつもこんなに市が強いのだろう、
と思っていたが、お蔭様で、変化に強い
人間に育てていただいたわけだ。この時代の人事マン
としては、特別なキャリアであったと感謝の念でいっぱいだ。

さて、当社の若手にはこう言った。
「当社で伸びている人材の共通点は、
 入社初年度に、人生で初めて、会社から
 自己否定され、自尊心を粉々に砕かれ、
 その中から辞めずにもがき苦しんだ者だけだ。」
 つまり、暢気な学生時代が終わり、会社にはいったとたん
 自己と仕事というマッチングがあまりに上手く
 行かず、どん底で、足掻いて明かりを見つけた者が
 今活躍しているわけだ。

当社も新卒採用では随分苦労したが、なんども
育成を諦めかけた彼らが、ガンガン働いて活躍
しているのを見ると、結局組織は、彼らが成長させて
くれているのがよくわかる。
経営合理性から考えれば、当社の事業は、経験者
採用を中心にすべきである。だけど、アホな子供を
育てて学ぶこともまた会社を心底強化することが
わかっただけでも、良いことではないか。
プロフィール
樋口 弘和
株式会社トライアンフ
代表取締役

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