心と言葉の溜め
好きな本をゴロゴロ転がって読む時間が
一番贅沢を感じる憩いの時間である。
英語や、経営者としての勉強も、時間を決めて
やるのだが、こういう修行のようなものではなく、
「今読みたい本」を数冊並べて、好きなものから
乱読するのが、いいのだ。
以前書いたように、
8月から、山崎豊子シリーズ読破を
決めていて、不毛地帯、白い巨塔、
華麗なる一族 は、読んだので、大体
毎週1-2冊のペースである。
彼女の小説を欲する背景には、きっと、
自分のコミュニケーション能力不足への
コンプレックスや反省があるのだと思う。
元来、ものを言う場も、時も選ばず、相手に剛速球を
投げつけるような方法が多かった僕には、
コミュニケーションに、「溜め」というものがない。
心と言葉に溜め がないと、まあ、
ゴルフで言えば、遠心力を使わない
「手打ち」みたいなものだから、力む
割には、ちっとも、飛ばない、ということになる。
山崎豊子さんの小説には、
「...などおくびにもださず、しゃあしゃあと言い切った」
「そう言ったが、実際のところは、...であった。」
なんて表現が、随所にでてくる。
昔は、面倒くさくて、読み飛ばしていた、こういう
部分に、妙に反応し、関心してしまうのは、
還暦近くなって、人間ができてきた証拠であろうか、
いや、そんなわけはないな。