天に唾する
採用面接では、なかなか見抜けない
能力のひとつに、「有言実行力」がある。
「有言」が前につくのは、特に、経験者採用に
おいては、口の達者な応募者が多いからである。
これは、英語では、commitment というが、
よく考えると、私たちは、テレビにでる
コメンテータや評論家ではないから、手足を
動かし、脳みそに汗して、何らかの結果をだして
初めて、仕事をしたことになるし、組織に
貢献したことになる。当たり前だ。
ところが、採用面接では、お互いが気を
使うこともあり、実際の仕事の話を突き詰める
よりも、未来のことや、考え方など
いくらでも(善意の)嘘がつける話題になりがちだ。
だから、採用面接では、過去の実績以外は、
話題にしないほうが無難である。
尊敬する先輩が、ある会社の社長に就任し、
取締役会で「天に唾する人を重用したい」と
宣言した。
これは、つまり、唾の降りかかるを覚悟で、
発言し、実行する人を評価する、ということだ。
僕も、全く同感である。
シニアになりかけのスタッフを育てる方法は
いくつかあろうが、本物にするためには、
一番苦しい実行フェーズから逃げない環境を
つくることだ。そこに、学びの本質があるからだ。
・本人にやりたいことを「あるべき論」で言わせる。
・しかるべきタイミングに、それをやらせる機会を作る。
・様子を見る、邪魔をしない、そっと支援する。
相談にはのるが、
失敗も、大事な経験なので、安易に口出さない。
・逃げさせない、最後までやらせる。
・顔つきが変わってきたら、よしよしとほくそ笑む。
・壊れたり、辞めてしまえば、自分の判断が間違ったと反省する。
まあ、こんな感じである。