格差社会(橘木 俊詔)
経営者やリーダーが知らなければいけない
ことの一つに、所謂格差問題がある。
今世の中で、起きていることの根幹は、
先進国の格差問題に起因しているからだ。
この本は、日本について、かなり、詳細に
その実態を紹介しており、読みやすくお奨めである。
2008年のデータにあるが、先進国の中での
相対的貧困率(その国の平均所得の50%未満の比率)
は、約16%で、先進国中アメリカについで、2位である。
世界では、120位。
つまり、全世界でみれば、日本は裕福だけど、
先進国全体で、実に、所得に差がつき始め、
日本は、格差がトップレベルになっている、
というのが事実だろう。
生活保護世帯、貯金ゼロ世帯、自己破産件数
などの増加から、これの経緯を丁寧に説明する。
「平等神話」はなぜ崩壊したか?
・長期不況による非正規労働の増加
・評価システムの変遷
・母子家庭(離婚)の増加
・高齢単身者の増加
・地方経済の劣化
・税制システム
という点から、データを紹介し、解説も
わかりやすい。
さらには、根本的な課題として、
・教育機会の不平等(社会の固定化)
・富裕層の変化による教育の歪み
をあげて、最後に、筆者の処方箋を
まとめている形だ。
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