ばかもの(絲山秋子)
絲山秋子さんの文章はリズムと
響きがいい
というのは、田中和生さんの後書(解説)
にもある通りだ。
主人公は、
「行き場のない思い」に苦しみ、
ニートそのものの生き方をして、
いつまでも、親元を出られず、
アルコール依存性になる。
凄まじい内容だ。
行き場のない思い、とは、
仕事や家庭で安易な到達感を
得られず、満足感からもほど遠い。
充実感など、あり得ない男だ。
似た者同士の恋愛小説と言ったら、
軽い表現だろうか。
不思議な事に、この主人公に
共感する自分がいる。
何時も思うのですが、
絲山秋子さんの人間観が映し出す
北関東の世界は、すごいです。
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