世にも美しい数学入門(藤原正彦/小川洋子)
以下藤原さんによる「あとがき」より
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数学や文学や芸術でもっとも大切なのは、
美と感動だと思う。
これらは、金儲けに役立たないし、
病気を治すにも、平和を達成するにも、
犯罪を少なくするにもほとんど役立たない。
しかし、はたして人間は金儲けに成功し、
健康で、安全で裕福な生活を送るだけで、
「この世に生まれてきてよかった」と心から
思えるだろうか。
「生まれてきてよかった」と感じさせるものは
美や感動において他にないだろう。
数学や文学や芸術は、それらを与えてくれる
という点で、もっとも本質的に人類の役に
たっている。
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数学者が、同時に、芸術を愛する人が多い、
というのは、通説である。
この本は、「博士の愛した数式」を書いた
小川洋子さんと藤原正彦さんの対談だが、
読んでいて、文字通り、「美と感動」の
ために生きるお二人を感じないわけには
いかない。
僕は、めったに、人のお薦めの本は、
読まないへそ曲がりであるが、これは、
東工大で生物学を学んだ若い女性技術者
に薦められて読んでみた。
ちょっと、オーバーにいえば、生きる意味を
若い彼女に示唆されたような気もする。
是非じっくり読んでいただきたい。
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