兼任の罠
兎角経営者は、新しい役割と
それに対応する組織作りが好きだ。
年度が変わるキックオフ
ミーティングなどで、
紹介される新しい組織図には、
新しいチームが書かれているが、
実際の人材育成は、
それに追いつかないから、大体、
他のマネージャーが
兼任することになる。
英語では、Acting と言うが、この
兼任が、実は、問題である。
アホな経営者は、組織図を描いた
段階で、その機能が動き出すと
思ってしまいがちだ。
ところが、兼任するマネージャーの
立場に立てば、そんなに上手に
時間と能力が、上手く、使いきれる
わけではない。
僕の経験では、あるマネージャーに
3つの異なる役割を与えた場合、
夫々の仕事に、100のうち、33の時間
と能力は使えない。
まあ、20 がいいところだろう。
つまり、兼任により、彼の能力の
60%しか使えないということだ。
人材育成の常識は、専任で、
逃げ場を無くして、追いこむ
ことである。
美しい組織図に騙されず
やりたい事と出来ることを
理解することが、トップの
大事な学びである。