ケチな上司
ご本人は、数年前に亡くなっているので、
ご了解をいただいたとして、古い過去の話。
この上司は、当時部長職で、若い我々20歳代の
結婚披露宴では、主賓を務めることが多かった。
当時のご祝儀相場は定かではないが、
凡そ部長で5万円、課長で3万円という
ところだったと思う。
ところが、この部長殿の祝儀は、いつも、2万円、
部下の課長が困って、いつも、言っていた。
「いやあ、XX部長が2だというので、
俺が3包むわけにはいかない。
悪いが、現物でお祝いしたいので、
何がほしいか言ってくれ」
つまらない話だが、この手の話は、30年以上
たった今でも、祝宴を挙げた者たちは、よく
覚えているもので、集まれば、食事もご馳走して
くれないだの、お茶も割り勘だの、今でもそんな
話で盛り上がる。
ケチな上司が、部下に慕われ、立派な仕事を
するのを僕は見たことがない。
上司になることは、背伸びをして、かっこを
つけることなので、披露宴が続き、奥さんに
泣きつかれ、小遣いを削られ、心で泣いていても、
ニコニコして差し出すのが、上司たる者の行動である。
「時間と金」
という資産を部下のために使えない
者は、上司たる資格がない。
これは、サラリーマン時代学んだ
とても大事な常識である。