時短で弱まる日本企業

僕らが会社員だった時代は、もう滅私奉公の時代だから、効率化よりはガンバリズムが幅を利かせており、連日夜遅くまで働く事が、疑われることもなかった。

だから、ひとつひとつの仕事の効率性や生産性などはあまり深く考えずに、時間をかけてでも成果を出し切る事が大事だった。

確かに仕事というものは、やり出したらキリが無い部分はあるが、会社に住み込むような働き方をする人は、個人的価値観が強く融通がきかない人が多かったような気がする。

時代が変わり、スマートな働き方が求められてきた。

当社でも、確かに10年前のような深夜残業や、過剰残業は随分影を潜めたと思う。

では、何の時間が削られたのか?

育成のダイナミズムが失われ、 若手には、挑戦の機会が奪われたようだ。

 

本来これは、という若手には、成長のタイミングをみて、負荷の高いミッションを課すのが育成の常道だが、上司がこれを避けて自らやってしまう。
定時に返したいのと、嫌われたくないのだろう。

機会が与えられない若手は、6時に帰れるが、同時に成長の機会も失っている。

上司は何を削っているか、これは明らかで「思考業務」である。PDCAの「P」がないのだから当然「C」もできずに、毎日Do Do Doの連続である。

当社では、比較的良く考えていた役員が留学で休職する事になり、ただでさえ小さな脳味噌が更に萎縮して、手足ばかりで経営されているようなものだ。

働く時間が短くなってみんながやりやすい無難な仕事ばかりを選んでいるような気がする。

こんな働き方改革は、日本を弱くするだけであろう。

プロフィール
樋口 弘和
株式会社トライアンフ
代表取締役

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