嫌な事は大概忘れる
新卒入社して12年、一児の母親となった彼女が会社を去ることになり、最後はサシで、送別会をした。
最も生意気でトンガっていた彼女は、同じく過信に満ちた経営者の僕と事あるごとにぶつかり、周りを巻き込み、随分と迷惑をかけただろう。
そんな彼女も結婚して家庭を持ち、専門性を持った在宅勤務も経験して気がつけば、12年という月日が経った。
会食では、昔の懐かしい話もでたけど、そんなこともあったかなあと思い出せない事もあった。
会社はヒトの時間と能力を喰って成長するものだが、きっと都合の悪い事は、忘れてしまうのだろう。
こうして卒業した彼女の思い出もきっとどこかのメモリーに残されていき、僕が引退する時の良き思い出になるような気がした夜だった。