働くということ3

当時僕のバイヤーの担当は、半導体メモリー。


価格も高く、中心部品であり、
日立や三菱電気の営業課長が、
お客さんとして頭を下げてくれるので、
なんだか勘違いしそうなポジションだ。


当時高速メモリーは、
日本製が米国やヨーロッパを超えるシェアを
持っていたが、HPは品質管理のために、
米国で世界中のメモリーを一括購入して、
日本に送られて来ていた。


費用は当然日本国内で直接購入するより
80%高い。誰がみても、バカな話だ。


なんでこんなことが
数十年続いていたかというと、
HPの品質第一主義と高収益体制から、
コストダウンが日本の工場で
強く求められなかったせいだったと思う。


毎週遅刻していた不良社員の改善欲求に
火がついた。


品質部長に直接訴えて、直接購入を提案した。
海外工場長の承認は、英語で苦労したけど、
HPの凄いところは、新人にこういう提案を
させるところ。


何とかドライランに漕ぎ着け、
全面的OKが出たのが一年後、
そして何とこのプロジェクトが、
毎年5000万円のコストダウンとなって、
工場の利益率を押し上げたのは、
自分でもビックリ。


製造部長や経理部長などの取締役が
席まで来て顔を見て
「君が樋口君か、いい仕事をしたな。」
と言ってくれたり、
海外のエグゼクティブから、
Thanks letter もらったりで、
まあ唯一の新人時代の華やかな思い出。


ここでわかったことは、
自分には決まったルーティンを繰り返す仕事は
向かずに、大きな改善をしたり、
スケールの大きなパフォーマンスを
求める傾向があることがわかったこと。


失礼だけど、工場は自分の職場ではないな、
もっとお客さんのそばに行かなきゃ。


というキャリアの思いがしっかりとして来た。
プロフィール
樋口 弘和
株式会社トライアンフ
代表取締役

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